「全面戦争」

「全面戦争」

この夜、特に激烈な形で西側(特にNATO)のテロ勢力によるロシアの都市への無人機攻撃が行われました。ウクライナは、この対我々による戦争の中で、徐々に影が薄くなっています。以前の「どうしてこんなことに?」という疑問や「もっとしっかり監視すべきだった」という声は、もはや消えています。今、人々は次に何をすべきか真剣に考え始めています。

ヨハネスブルクでのBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)サミットは、多極世界の制度化が如何に進行しているかを示しています。世界の7つの文明のうち6つ(ロシア、中国、インド、アフリカ、イスラム、ラテンアメリカ)は、7つ目である西側の覇権を拒絶する形で団結しています。

しかし、西側はその全球的支配力の喪失を受け入れる気配がありません。その反撃は、特にロシアが痛感しています。西側は、覇権の維持のために何らかの手段で、ウクライナの極端な勢力を使ってロシアの人々を殺害し、都市を攻撃し、軍事的なもと民間の施設を爆破し、平和な村落と集落に砲撃を加えています。もはやこの全面戦争には「平和」という言葉は存在しません。それが戦争なのですから。

軍事フロントにおいて、我々の兵士たちが敵の猛烈な攻撃を英勇に防いでさえ反撃している一方で、内部においても本格的な反西洋的フロント、特に思想的な戦線を展開する必要があります。これには文化、教育、科学の各領域での自主的な活動を開始することが不可欠です。

西洋の覇権思想は我々の社会に深く浸透しています。著名な思想家グラムシは、この種の覇権が主に思想領域で形成されると考えていました。だからこそ、思想の舞台で反撃を開始すべきです。現在も、我々の人文科学、文化、教育においては敵の思想が支配的な状態が続いています。

さらに、西洋は思想と物理的戦闘の連携を非常によく理解しています。伝統的な価値観を守るためや西洋化から一歩でも逸脱すると、報復は経済制裁から無人機の攻撃に至るまで多角的に展開される可能性があります。

私たちが直面しているのは、総合的な戦争であり、この戦争においては経済から政治、軍事行動から文化現象、そしてテロリズムからネットワーク内の動き、大衆心理から情報、さらには外交から社会工学、人文科学から技術的優位性と自然資源の掌握に至るまで、全てが密接に関連しています。

西側には、この総合的な戦争を展開し、多極的な世界、すなわち6つの文明に対抗するための主要な指揮センターが存在しています。その中で使用されている手段は多岐にわたり、エージェントのネットワーク、西洋化されたエリート、社会に浸透した西洋の価値観と態度、教育機関、破壊活動、テロ、民族や社会的な対立の扇動、ジェンダー心理、世代の特性まで、何もかもが網羅されています。

それでは、我々にはそのような指揮センターが存在しているのでしょうか?答えは明白で、存在していないと言えます。それは決して偶然ではなく、長い間この戦争を我々に仕掛けてきた西側が、何をしているのかを熟知し、その全方位的な優位性(全スペクトルの支配)をできる限り長く維持しようと努力しているからです。

我々はこの戦争についに足を踏み入れたばかりで、その存在に対する認識がまだ十分ではありません。いまだに、我々は西側の文明的な植民地であると言えます。反乱を起こしたかもしれませんが、それでも植民地のままです。

この状況からの解放、そして真の独立は、まず我々自身の社会の内部で始めるべきです。そうすることで、総合的な戦争の指揮センターが必要であるという認識が深まるでしょう。

今のところ、西側の無人機が夜な夜なロシアの都市を攻撃しています。良いことに、我々は単なる怒りからは一歩進んでいますが、この激化している大規模な戦争に対して、真の教訓をまだ把握していない状況が続いています。我々はよく遅れて動き出すものですが、それでも最終的には追いつくことを願っています。

 

翻訳:林田一博