多極化に関する世界会議 スピーチ ① コンスタンチン・マロフェーエフ

多極化に関する世界会議 スピーチ ① コンスタンチン・マロフェーエフ

リベラリズム、そしてグローバル・リベラリズムは死にました。私たちは今、その最期を目の当たりにしています。フランシス・フクヤマが最近まで信じていた、歴史の終わりという概念、そしてそれがリベラルな西欧民主主義が到達した理想的な社会であるという考えは、嘘であることが明らかになりました。リベラル民主主義の世界は、混沌、暴力、分断、人種差別、普遍的な憎悪の世界であり、少数派に支配されていることが明らかになっています。最初から、欧米の少数派自体が世界の多数派を支配することを目指していました。10億人が70億人に自分たちの意志を押し付けようとしていたのです。これは200年間続いてきました。200年間、ヨーロッパの植民地支配は、アフリカ、アジア、ラテンアメリカから天然資源や奴隷を輸出し、隔離し、搾取し、虐待してきました。

しかし、その時代は終わりました。グローバリズムのヘゲモンである西側は、すべての西側諸国を統合することはできなかったのです。この支配体制は今、私たちの目の前で崩壊しているのです。アメリカのヘゲモニーは終焉を迎えています。そして、アメリカはこの世界にしがみつこうとして、現存する世界秩序を維持するために世界大戦を起こそうとしています。しかしこのような試みは、アメリカの疑似帝国であるイギリスの植民地帝国でも成功しなかったのです。第一次世界大戦や第二次世界大戦は、大英帝国を輝かせるために行われた戦争でしたが、実際にはアメリカが第一次世界大戦後に勢力を伸ばし、第二次世界大戦後の50年代と60年代には大英帝国は消滅しました。そして、旧イギリス植民地は独立国家となったのです。

現在、全世界を支配するアメリカの植民地帝国は、世界の人々に自らのルールを押し付け、アメリカドルで支払わせながら、しばしば疑わしい、時に反キリスト教的な「リベラル」な価値観を押し付け、世界を支配しようとしています。彼らはそれを「パックス・アメリカーナ」と呼んでいますが、フクヤマが歴史の終わりを宣言した頃、同じアメリカには「文明の世界」を提唱するサミュエル・ハンティントンがいました。ハンティントンの提唱する文明論的アプローチは、異なる文明が平等であり、相互に尊重しあうことを前提としています。これは、世界を創造した創造主である主なる神が、人類が異なる道を歩んできたにもかかわらず、一人の祖先アダムから生まれたことを基盤としています。それぞれの文明には独自の価値観、夢、理想があり、それらを平等に尊重することが必要です。この文明論的アプローチは、今日の世界で多極化と呼ばれており、アメリカの覇権主義によって世界に押し付けられたリベラルなグローバリズムの土台が揺らぎ、文明の多様性が平等に尊重される美しい21世紀の花々が咲き始めようとしているのです。

それぞれの文明、それぞれの極は、独自の運命を持っています。しかし、お互いを尊重することが大切です。それが多極世界の本質であり、ロシアが今、ウクライナで戦っている理由です。彼らが戦っているのは、ウクライナ人でもウクライナでもなく、西側の少数派やNATOのような組織全体と戦っているのです。全大陸の人々が自由を取り戻し、西洋の植民地主義を忘れ、新しいページを開けるために、多極化した世界が必要なのです。

 

翻訳:林田一博 | https://t.me/duginjp